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位置共有アプリで恋人に監視される|whoo・NauNauをやめさせたい、通知されずに抜ける方法

読了目安 約23分実務は主任調査員監修/法律部分は弁護士監修公開 2026.08.24

「入れておいてよ、心配だから」から、それは始まった

付き合い始めて、まだ数か月のころだったと思う。相手が、スマホの画面を見せながら、軽い調子で言った。「これ、お互いの場所が見えるやつ。友達もみんなやってるし、入れとこ?」

みんなやってる。心配だから。ふたりの間に隠しごとがないなら、断る理由もない気がした。あなたは、その場の空気で、うなずいた。whooだったか、NauNauだったか、iPhoneの「探す」だったか——名前はどうでもいい。とにかく、あなたは自分の指で、アプリを入れた。自分のアカウントで、相手と居場所を共有する設定にした。

最初のうちは、悪くなかったのかもしれない。相手が近くにいると分かると、少し嬉しかったりもした。でも、いつからだろう。それが、じわじわと、別のものに変わっていったのは。

「さっき、駅前で止まってたよね。誰かと会ってたの?」。「バイト終わったのに、なんで30分寄り道してるの?」。「昨日の夜、家に着いたの遅くない?」。相手は、あなたの一日の動きを、地図の上で全部見ている。そして、それについて、いちいち聞いてくる。問い詰めてくる。あなたは、コンビニに寄っただけで言い訳を考えるようになった。友達とご飯に行くのに、後ろめたさを感じるようになった。スマホの中の小さな点が、あなたを、ずっと見張っている。

そして、いちばんきついのは——これを入れたのは、あなた自身だ、ということだ。無理やり車に仕掛けられたわけじゃない。こっそりスマホを乗っ取られたわけでもない。あなたは、自分で「いいよ」と言った。だから、苦しくても、「今さらやめたいなんて、心が狭いのかな」「疑ってるみたいで悪いかな」と、自分を責めてしまう。やめたいと口に出すことすら、怖い。

この記事は、そういうあなたのために書いた。先に、いちばん大事なことを言う。あなたが「入れた」ことと、いま「監視されて苦しい」ことは、まったく別の話だ。 一度うなずいたからといって、あなたが一日じゅう居場所を握られ続けなければならない理由なんて、どこにもない。息苦しさを感じているなら、その感覚のほうが正しい。ここから、抜け方と、その手前で知っておいてほしいことを、順番に整理していく。

そして、これも最初に置いておく。もし相手の束縛がすでに怖い域に入っていて、身の危険を感じるなら、この記事を読み進めるより先に、警察相談専用電話「#9110」へ。差し迫った危険があるなら110番。あなたの安全が、いつでもいちばん上にある。

これは「見せ合いっこ」ではなく、合意の"空気"で入れさせられた監視だ

位置共有アプリが、機器のGPSや隠された監視アプリと違うのは、建前として「お互い合意している」形になっているところだ。ここが、この問題をややこしく、そして苦しくしている。

本当にフラットな共有なら、それは監視ではない。お互いが、対等に、いつでも自分の意思で切れて、切っても相手が怒らない。「今日は共有オフにするね」と言えて、「いいよ」で終わる。位置が見えることを、お互いが便利さとして使っている。そういう関係なら、何の問題もない。

でも、あなたのケースは、そうじゃないはずだ。よく思い出してほしい。

  • 「入れて」と言い出したのは、いつも相手のほうで、あなたからではない。
  • 相手はあなたの位置を細かく見るのに、相手自身の位置は、ほとんど動かないか、あてにならない。
  • あなたが「もうやめたい」と言うと、相手は不機嫌になる、傷ついた顔をする、「やましいことでもあるの?」と返してくる。
  • 共有を切ると、着いた瞬間に「なんで切ったの」と連絡が来る。

これは、対等な「見せ合いっこ」ではない。合意という言葉の皮をかぶった、一方通行の監視だ。 あなたは「いいよ」と言った。でもその「いいよ」は、断ると空気が悪くなる状況で、半ば言わされたものではなかったか。そして、当時のあなたと今のあなたは違う。人の気持ちは変わる。一度した合意を、いつでも取り消せることが、本当の合意というものだ。取り消させてもらえない合意は、もう合意じゃない。

だから、自分を責めなくていい。あなたは、優しさを利用されただけだ。悪いのは、「心配」という言葉を使って、あなたの自由を握り続けている側だ。

機器のGPSと、位置共有アプリの、決定的な違い

「じゃあ、車につけるGPSと、何が違うの?」。ここを整理しておくと、自分の状況が、少し立体的に見えてくる。

車や鞄に仕掛ける機器のGPSは、相手が「隠して」つけるものだ。あなたは、つけられていることに気づかない。だから、まず「本当にあるのか」を確かめるところから始まる。無断で仕掛けられていれば、その時点で相手の行為が問題になる。この機器型の不安については、恋人・配偶者にGPSをつけられたに、探し方と身の守り方の順番をまとめてある。

位置共有アプリは、逆だ。あなたは、それが入っていることを知っている。自分で入れた。「見えている」ことも承知している。 隠されてはいない。むしろ、堂々と、あなたの同意のうえで、あなたを追っている。

この「堂々と」が、実はやっかいだ。隠されたGPSなら、見つけて外せば終わる。でも位置共有アプリは、外そうとすると相手にバレる。やめたいと言えば、関係がぎくしゃくする。つまり、機器型が「見つける」問題なのに対して、アプリ型は「関係から抜ける」問題なんだ。 技術の問題である以上に、人間関係の問題だということ。ここを取り違えると、アプリを消すことばかり考えて、いちばん大事な「この関係をどうするか」を見落としてしまう。

もう一つ、区別しておきたいものがある。あなたが知らないうちにスマホに仕込まれる「監視アプリ・ストーカーウェア」だ。これは、位置共有アプリのように表向きの同意すらなく、端末そのものを覗く。位置も、通信も、時にはマイクまで握られる。「自分では入れた覚えがないのに、行動が筒抜けだ」という感覚があるなら、そちらの疑いもある。見分けの勘どころは、スマホの監視アプリを見抜く兆候と、確認の手順を追ったスマホに監視・盗聴アプリを入れられていないか確認する方法にある。あわせて頭に入れておいてほしい。

整理すると、こうなる。隠された機器のGPS=見つける話。知らずに入れられた監視アプリ=端末を確かめる話。自分で入れた位置共有アプリ=関係から安全に抜ける話。 あなたが今いるのは、三つめだ。だから、この記事は「消し方」より「抜け方」を軸に置いている。

「アプリだから軽い」という思い込みが、いちばん危ない

位置共有アプリを、「ただのアプリでしょ」「機器みたいに大げさじゃない」と、軽く見てしまう人は多い。でも、監視される側の苦しさで言えば、むしろこちらのほうが重いことがある。理由を、はっきりさせておく。

常に持ち歩いている。 車のGPSは、車から降りれば追えない。でも、スマホは、あなたが起きている間ずっと、寝ている間も、体のそばにある。位置共有アプリは、あなたのほぼ全行動を、途切れなく地図に描き続ける。逃げ場が、物理的にない。

精度が高く、履歴も残りやすい。 アプリの多くは、今どこにいるかだけでなく、どのくらいそこに留まったか、いつ動いたかまで見える作りになっている。「10分前からあの店にいる」「今、移動を始めた」——生活のリズムが、丸ごと相手の手のひらに乗る。

バッテリー残量や、通知まで見えるものがある。 アプリによっては、相手のスマホの電池がどれだけ減っているかまで表示される。「充電が切れそうなのに連絡がない」だけで、問い詰める材料にされる。監視の解像度が、想像より細かい。

そして、心理的に逃げにくい。 隠されたGPSなら「勝手につけたほうが悪い」と、まだ怒りやすい。でも位置共有アプリは「自分で入れたんだから」という負い目が、あなたの足をすくませる。この負い目こそ、相手があなたを縛り続けられる、いちばんの仕掛けだ。

だから、「アプリだから軽い」は捨てていい。あなたが感じている息苦しさは、道具が大げさかどうかではなく、常時見張られているという事実そのものから来ている。 その苦しさは、機器で追われる苦しさと、何ひとつ変わらない。

その位置共有は、いつ「束縛」に変わったのか——サインの見分け方

便利な共有と、束縛の監視。この境目は、アプリの機能では決まらない。あなたが、自由に切れるかどうかで決まる。あなたの関係が、どちら側にあるか。いくつかのサインで、確かめてほしい。

位置について、問い詰められる。 「なんでそこにいたの」「誰と会ってたの」が、日常的にある。あなたは、行動のたびに説明責任を負わされている。

共有を切る自由が、実質ない。 切ると不機嫌になる、傷つく、責める。「切る=疑っている・浮気している」という図式を、相手が作っている。だからあなたは、切れない。切る自由がない共有は、共有ではなく監視だ。

あなたの人間関係が、削られていく。 友達と会うのを、位置を口実にいやがる。「あの子といたでしょ」と、交友を細かく管理される。気づけば、会える人が減っている。

優しさと締めつけが、交互に来る。 ずっと怖いわけではない。だから「本当はいい人だし」と思ってしまう。この波が、あなたを離れにくくする。

「愛情」「心配」で正当化される。 監視を指摘すると、「好きだから心配なだけ」「信じてほしいだけ」と返される。あなたが悪いような気持ちに、すり替えられる。

思い当たるなら、それは、あなたの心が狭いのでも、疑い深いのでもない。あなたを支配下に置きたい側の問題だ。 位置共有アプリは、その支配を、いちばん手軽に、いちばん堂々と実現する道具になってしまっている。恋人・配偶者による監視が、なぜ「愛情」ではなく「支配」なのか、その構造は恋人・配偶者にGPSをつけられたでも掘り下げている。道具は違っても、根っこは同じだ。

抜け方①——「通知されずに切る」という、いちばんの壁

「もう、こっそり切りたい。バレずに抜けたい」。ここが、多くの人が最初にぶつかる壁だ。そして、正直に言う。位置共有アプリを、相手に一切気づかれずに切るのは、簡単ではない。

理由は、アプリの側の作りにある。位置共有の仕組みは、多くの場合、片方が共有を止めたり、位置が急に見えなくなったりすると、相手側の画面にそれが表れるように出来ている。「共有が停止されました」といった通知が飛ぶもの、位置が「更新されていない」と分かってしまうもの、そもそも相手のフレンド一覧からあなたが消えるもの——挙動はアプリごとに違うが、共通して言えるのは、支配したがる相手は、そのわずかな変化を、まず見逃さないということだ。

「充電が切れてただけ」「電波が悪かった」で、一度はごまかせるかもしれない。でも、束縛の強い相手は、それが続けば必ず気づく。そして、気づいたときの反応こそが、あなたが本当に警戒すべきものだ。「なんで切ったの」と問い詰められるだけで済むのか。逆上して、行動がエスカレートするのか。ここは、相手の人となりによる。

だから、具体的な手順の前に、順番を間違えないでほしい。「どうやって切るか」より先に、「切ったあと、相手がどう出るか」を見立てること。 相手が、切っただけで豹変しそうな相手なら、いきなり切るのは、いちばん危ない一手になりうる。技術的にこっそり切る細かい方法は、相手を刺激しない段取りとセットでなければ意味がないので、ここで手順だけを並べることはしない。それは、あなたの安全から目を離すことになるからだ。

先に確かめてほしいのは、この二つだ。ひとつ、切ったことが相手に伝わる可能性が高い、という前提で考える。 バレない前提の作戦は、崩れやすい。ふたつ、切る前に、外とつながっておく。 信頼できる人に状況を話しておくだけで、いざというときの逃げ場が違う。孤立したまま一人で切ろうとするのが、いちばん危うい。

抜け方②——アプリを消すより、「関係を見直す」ほうが本丸だ

ここが、この記事でいちばん伝えたいことだ。

位置共有アプリを消しても、共有をオフにしても、それだけでは、根っこは終わらない。 なぜなら、問題はアプリではなく、あなたを監視せずにいられない相手のほうにあるからだ。アプリを消せば、相手は「じゃあ直接、今どこか報告して」と言い出すかもしれない。別のアプリを入れさせようとするかもしれない。あるいは、あなたの知らないところで、機器のGPSやスマホの監視アプリに切り替えてくるかもしれない。道具は、いくらでも替えがきく。替えがきかないのは、あなたがその関係の中で、自由を奪われ続けているという事実のほうだ。

だから、抜け方の本丸は、アプリの操作ではなく、この関係とどう向き合うかにある。全部を今日いっぺんに決めなくていい。でも、頭の隅に、この順番を置いておいてほしい。

  • まず、自分の感覚を信じる。 「監視されて苦しい」は、わがままではない。その感覚が、いちばん確かな出発点だ。
  • 一人で抱えない。 位置を管理する相手は、たいていあなたの交友を削ってきている。孤立させられていること自体が、支配の一部だ。まず、信頼できる家族・友人・公的窓口と、外につながる。
  • 切る・別れるは、準備をしてから。 感情のまま「もう切る」「別れる」と面と向かってぶつけるのは、相手が支配的なほど危ない。次の章で書く。
  • 道具を替えられる前提で、見張る。 アプリを切ったあと、行動がまた筒抜けだと感じたら、機器のGPSや監視アプリを疑う。恋人・配偶者にGPSをつけられたスマホの監視アプリを見抜く兆候を、頭に入れておく。

アプリを消すのは、手段のひとつにすぎない。あなたが取り戻したいのは、アプリの通知が消えた画面じゃなくて、誰にも行き先を報告しなくていい、ふつうの毎日のはずだ。そこへ戻る道の中心は、道具ではなく、関係のほうにある。

エスカレートしたら——安全がいつでも最優先

位置共有アプリの監視は、多くの場合、単独では起きない。過剰な連絡、行動の詮索、交友の制限、そして「別れるなら許さない」といった脅し。こうしたものと、地続きで現れる。だから、相手の締めつけが、アプリの範囲を超えて怖い域に入ってきたら、順番を切り替えてほしい。

別れ際が、いちばん危ない。 支配的な相手は、あなたが離れようとする瞬間に、支配の完全な喪失を感じて、しがみつき、追いすがり、ときに攻撃的になる。「どこにいても分かるからな」という脅しに、これまで握ってきた位置情報が使われることもある。だから、別れを切り出すなら、一人で直線的に動かない。逃げ先、知られていない連絡手段、頼れる人。準備を、動く前に整える。

身の危険を感じたら、探偵より先に、警察と公的窓口だ。 つきまとい、脅し、暴力の気配。これは、警察の領域だ。迷ったら警察相談専用電話「#9110」でいい。差し迫った危険があれば110番。夜間でも緊急でもつながる。あなたが我慢して耐える話ではない。つきまといが現実にあるなら、ストーカー・つきまとい被害の対処法に、証拠を残して警察につなぐ流れをまとめてある。

別れた相手が、位置共有を口実に離れないなら。 「共有を切ったら怒って追ってくる」「別れたのに居場所を把握されている」——別れた交際相手が絡む監視は、元カレのストーカー・盗聴器が不安の視点が役に立つ。一人で対処しようとしないでほしい。

しつこいようだが、もう一度だけ言う。命や身の安全に関わると感じたら、そこがすべての最優先だ。 位置共有アプリを切る技術も、法律の話も、あなたが安全であってこそ意味を持つ。順番を、絶対に逆にしないでほしい。

合意なき追跡・強要された追跡と、法律の関係

「相手がやっていることって、法律的に問題ないの?」。当然、そう思う。ここは、断定を避けつつ、考え方の骨組みだけ、誠実に伝える。個別の判断は、必ず弁護士に相談してほしい。

かつては、GPSなどで人の位置情報を追う行為を、正面から規制する枠組みが、はっきりしていなかった時期がある。それが変わったのが、ストーカー規制法(ストーカー行為等の規制等に関する法律)の改正だ。2021年(令和3年)の改正で、相手の承諾を得ないでGPS機器などにより位置情報を取得する行為や、相手の持ち物に無断で位置情報取得機器を取り付ける行為が、規制の対象に加えられた。位置情報を無断で追う行為に、法的な歯止めがかけられたということだ。この法改正の中身は、GPS規制はどう変わった?ストーカー規制法の改正で詳しく解説している。

問題は、位置共有アプリのように「一度は同意した」形の場合、どう考えるかだ。ここは、状況によって評価が変わる。ポイントは二つある。ひとつ、その同意が、本当にあなたの自由な意思によるものだったか。 断れば不機嫌になる、責められる——そういう空気の中で言わされた「いいよ」を、法的に有効な承諾と言えるのか。ふたつ、その同意を、あなたが撤回できているか。 やめたいと言っているのに、やめさせてもらえない状態で追跡が続くなら、それはもう「承諾を得た追跡」とは言いにくくなる。

だから、この記事で「あなたのケースは違法だ」と言い切ることはしない。できるのは、こう伝えることだ。一度うなずいたからといって、あなたが永久に追われ続けることに同意したわけではない。同意は、取り消せる。取り消しを認めない追跡には、あなたが問題として扱える足場がある。 無断の位置追跡の違法性の枠組みは、車にGPSをつけるのは違法?に、法改正の中身から整理してある。相手の行為を「おかしい」と感じたその感覚は、間違っていない。

そして、ここで絶対にやってほしくないことがある。やり返すことだ。 「監視されたんだから、こっちも相手の位置を掴んでやる」。その気持ちは分かる。でも、あなたが相手に無断で位置を追えば、今度はあなたが同じ法律に触れる側に回る。被害者だったあなたが、加害者にされてしまう。掴んだつもりの証拠も、あなたを守らない。ここだけは、絶対に踏み越えないでほしい。

誰に相談すればいいのか——警察・弁護士・探偵の使い分け

相手が近しい人だと、どこに相談していいか、余計に見えなくなる。役割を、整理しておく。

警察・公的窓口——身の安全と、法的な保護。 つきまとい、脅し、暴力、身の危険。ここは警察の領域だ。ストーカー規制法やDV防止法にもとづく警告や保護の枠組みも、警察や自治体の相談窓口が入口になる。命と安全に関わることは、まずここ。迷ったら「#9110」でいい。身の危険と、証拠を残して警察につなぐ流れは、ストーカー・DVは、まず証拠を残して警察へにまとめてある。

弁護士——法的な手続きと、権利の主張。 保護命令、別れ、慰謝料、接近禁止。法律を使ってあなたを守り、相手に責任を問う場面は、弁護士の領域だ。位置共有アプリでの追跡が違法にあたるかの判断も、ここでしてもらう。

探偵——事実を、後で使える形に残す。 位置共有アプリを切ったあとも行動が筒抜けなら、機器のGPSや監視アプリに切り替えられていないかを、専門の機材で確かめる。いつ何をされたかを記録に残す。誰がやっているかを裏づける。こうした「事実を証拠の形にする」仕事が、探偵の領域だ。ただし、探偵は、あなたの身の安全を守る警察の代わりにはならない。 危険が差し迫っているなら、探偵より警察が先。ここは、はっきりさせておく。

この三つは、対立するものではなく、役割が違うだけだ。安全は警察、権利は弁護士、事実は探偵。 どこに持っていくか迷ったときの線引きは、盗聴・盗撮は警察に相談すれば動く?でも整理している。状況に応じて、組み合わせて使えばいい。

ケースの続き——「点」を消した、その先へ

冒頭の彼女は、どうしたか。すぐにアプリを切りはしなかった。まず、しばらく距離を置いていた大学時代の友人に、思いきって全部を話した。声に出してみて、初めて「これは、おかしいことだったんだ」と、自分の感覚に確信が持てた。孤立させられていたことに、そのとき気づいた。

そのうえで、逃げ先と、相手に知られていない連絡手段を、先に用意した。実家にも、それとなく事情を共有した。共有アプリを切るのは、そうした足場が固まってからにした。切ったあと、案の定「なんで切ったの」と連絡が殺到したが、一人ではなかったから、飲み込まれずに済んだ。

大事なのは、彼女が「アプリを消すこと」をゴールにしなかったことだ。ゴールは、誰にも行き先を報告しなくていい毎日を、取り戻すことだった。だから、順番を、安全と人間関係のほうから組んだ。あなたのケースも、細部は違っても、軸は同じでいい。

(※このケースは、寄せられる相談に共通する流れをもとにした一般的な例で、特定の実在の個人・出来事とは関係ない。)

そのまま使える、チェックリスト

いま自分がどこにいるか、確かめるために使ってほしい。当てはまる項目が多いほど、一人で抱えず、外とつながることを優先してほしい。

その共有は、監視に変わっていないか

  • [ ] 位置について、「誰と」「なんで」を日常的に問い詰められる
  • [ ] 共有を切ると、相手が不機嫌になる・傷つく・責める
  • [ ] 「切る=疑っている・浮気」という図式を、相手が作っている
  • [ ] 位置を口実に、友達や家族と会うのを妨げられる
  • [ ] 監視を「心配だから」「愛情だ」で正当化される

抜けるための準備が、できているか

  • [ ] 切ったら相手に伝わる前提で、反応を見立てている
  • [ ] 信頼できる誰かに、状況を話せている
  • [ ] 逃げ先・知られていない連絡手段を、先に考えてある
  • [ ] アプリを切っても筒抜けなら、機器や監視アプリを疑う、と決めている

安全のために、譲らないと決めているか

  • [ ] 別れ際がいちばん危ない、と知っている
  • [ ] 命の危険を感じたら「#9110」「110番」を頼る、と決めている
  • [ ] 自分から相手の位置を追い返す、はしないと決めている

最後のブロックにチェックがつかないなら、アプリの操作より先に、そこから整えてほしい。安全が、いつも最優先だ。

よくある質問

Q. 自分で入れたアプリなのに、監視だと言っていいんですか?

いい。入れたときの同意と、いま追われ続けることへの同意は、別の話だ。人の気持ちは変わるし、合意はいつでも取り消せる。やめたいと言えない・言うと責められる状態なら、それはもう対等な共有ではなく、支配の色が濃い。自分を責める必要はない。

Q. こっそり切れば、バレませんか?

バレない、とは言い切れない。多くのアプリは、共有を止めたり位置が更新されなくなったりすると、相手側にそれが表れる作りだ。「充電切れ」で一度はごまかせても、束縛の強い相手は続けば気づく。だから「バレる前提」で、切ったあとの相手の出方を見立て、外とつながってから動くほうが安全だ。

Q. 相手も自分の位置を共有しているから、対等ですよね?

機能のうえでは対等でも、実態が対等とは限らない。相手はあなたを細かく見て問い詰めるのに、自分の位置はあてにならない、切る自由はあなたにだけない——そういう非対称があるなら、それは対等な共有ではない。判断の軸は「機能」ではなく「あなたが自由に切れるか」だ。

Q. アプリを消せば、もう追われませんか?

そのアプリからは追われなくなる。ただ、監視せずにいられない相手は、道具を替えてくることがある。直接の報告を求める、別のアプリを入れさせる、機器のGPSやスマホの監視アプリに切り替える。だから、消したあとも行動が筒抜けだと感じたら、恋人・配偶者にGPSをつけられたスマホの監視アプリを見抜く兆候を確かめてほしい。

Q. 別れたいけれど、逆上されそうで怖いです。

その怖さは、正しい警戒だ。支配的な相手ほど、別れ際が危ない。一人で切り出すより、家族・友人・警察・公的支援と連携して、逃げ先と手段を先に準備してから動く。DVやつきまといには保護の枠組みがある。使えるものは、ためらわず全部使っていい。

Q. 相手の位置も掴んで、証拠にしてはダメですか?

だめだ。あなたが無断で相手の位置を追えば、今度はあなたが法に触れる側になる。被害者から加害者に転じてしまう。証拠のつもりが、あなたを守らない。やり返す道は、選ばないでほしい。

最後に

「入れておいてよ、心配だから」。あの一言から始まった、スマホの中の小さな点。それが、いつのまにかあなたの一日を縛り、コンビニに寄るだけで言い訳を考えさせるようになった。自分で入れたぶん、やめたいと言うことすら後ろめたい——その苦しさを、ここまで抱えてきたはずだ。

でも、思い出してほしい。一度うなずいたことは、一生従い続ける約束じゃない。あなたが取り戻したいのは、アプリを消した画面ではなく、誰にも行き先を報告しなくていい、あたりまえの毎日のはずだ。そこへ戻る順番は、こうだ。①自分の「苦しい」を信じる。②一人で抱えず、外とつながる。③切る・別れるは、準備を整えてから。④身の危険を感じたら、まず警察と公的窓口へ。⑤アプリを切っても筒抜けなら、機器や監視アプリを疑って、事実を確かめる。

私たちFULL SUPPORTは、西日本を拠点に、大阪をはじめ各地で、近しい相手からの監視や束縛の不安に向き合ってきた。危険が差し迫っているなら、まず警察を頼ってほしい。そのうえで、「アプリを切ったのに、まだ見られている気がする」「本当に追われているのか確かめたい」と思ったら、いまの状況を、そのまま話してくれればいい。整理できていなくて、かまわない。→ 無料で相談してみる

あなたの安全が、いつでもいちばん上にある。


※この記事は、位置共有アプリによる監視・束縛の不安を抱える方に向けた一般的な説明であり、個別の法的判断を示すものではありません。文中の事例は、寄せられる相談に共通する流れをもとにした一般的な例で、特定の実在の個人・出来事とは関係ありません。特定のアプリの操作方法を保証するものでもありません。個別のケースが違法にあたるかどうか、どんな手続きが取れるかは、必ず弁護士や警察など、それぞれの専門の窓口にご確認ください。

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