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浮気・不倫

別居中の浮気で慰謝料は取れるのか|「婚姻破綻」の線引きと、“どの時点の不貞か”を示す証拠のすべて

読了目安 約21分実務は主任調査員監修/法律部分は弁護士監修公開 2026.08.07

荷造りをした日付と、相手に影がちらついた日付。どっちが先か

段ボールに服を詰めた、あの日のことを覚えていますか。喧嘩の勢いだったのか、もう限界だと静かに決めたのか。理由はどうあれ、あなたは家を出た。あるいは、相手を送り出した。「少し離れて、頭を冷やそう」——そのつもりだった。修復のための距離か、別れへの助走か、自分でもまだ決めきれないまま、時間だけが過ぎていった。

そして最近、気づいてしまった。別居している相手に、新しい影がちらついている。SNSの空気が変わった。共通の知人が言葉を濁す。あるいは、相手のほうから「もう気持ちはない、次に進みたい」と告げられた。胸の奥がざわつく。裏切られた、という怒り。それと同時に、こんな疑問が頭をもたげる。「別居してるあいだの浮気でも、慰謝料って、取れるんだろうか」。

あなたは今、指を折って数えているはずです。荷造りをした日付は、いつだったか。相手に新しい影がちらついたのは、いつからか。どっちが先だったのか。——この「どっちが先か」こそが、別居中の不貞をめぐる、いちばんの分かれ目なんです。順番が逆なら、話はまるで変わる。

逆の立場の人も、この記事を開いているはずです。別居して、もう心は離れていて、あなた自身に新しい相手ができた。ところが、置いてきたはずの配偶者が「不貞だ、慰謝料を払え」と言い出した。「もう終わってた関係なのに、なんで今さら?」——その戸惑いも、根っこは同じ問いにつながっています。

この記事は、別居という宙ぶらりんな状態のなかで、慰謝料を「取れるのか/取られるのか」を確かめたいあなたのための、別居中の不貞に一点特化した実践ガイドです。慰謝料そのものの全体像や、単身赴任のケースは別の記事にゆずり、ここでは「別居=婚姻破綻なのか」という核心と、どの時点の不貞かを示す“時系列の証拠”だけに、話を絞ります。長いので、気になるところから、何度でも読み返してください。

※この記事は、一般的な考え方の整理です。あなたのケースで取れるか・取られるか・いくらか、そして「破綻していたか」の当否は、極めて専門的な判断になります。必ず弁護士にご相談ください。 ここでお渡しするのは、相談の前に持っておくと役に立つ「地図」です。

なぜ、別居中の不貞は「取れるのか」で悩むのか

同居中に浮気をされたなら、話はシンプルです。配偶者以外との肉体関係——不貞行為——が、あなたの平穏な夫婦生活を壊した。だから慰謝料を請求できる。ここに、大きな迷いは生まれません。

ところが、別居がはさまると、とたんに足元がぐらつく。理由は、はっきりしています。別居は、「まだ夫婦」なのか「もう終わった関係」なのか、その中間の、あいまいな状態だからです。

籍はまだ入っている。法律上は、間違いなく夫婦です。でも、生活は別々で、心の距離も開いている。この「形は夫婦、実態は別々」というねじれのなかで不貞が起きたとき、こんな問いが立ち上がる。

「もう一緒に暮らしてもいない相手が、よその誰かと関係を持ったからといって、それは本当に“裏切り”なのか」。相手側はこう言ってくる。「別居した時点で、夫婦としては終わっていた。だから、新しい相手を作っても、あなたを傷つけたことにはならない」。

この主張が、慰謝料の請求に対する、いちばんの反論になります。専門的には「婚姻関係の破綻」という論点です。ざっくり言えば——不貞が始まった時点で、夫婦関係がすでに“壊れて”いたのなら、そもそも壊すべき平穏な家庭がなかったのだから、慰謝料は認められにくい、という考え方。別居中の不貞が、同居中よりもずっと繊細な判断になるのは、この論点を、相手が必ずと言っていいほど突いてくるからです。

だから、あなたが本当に知りたい「取れるのか」の答えは、金額表のどこにも載っていません。答えは、「あなたの別居が、破綻とみなされるのか、みなされないのか」という、たった一つの線引きにかかっている。まずは、この線がどこに引かれるのかを、落ち着いて見ていきましょう。慰謝料そのものの基本的な考え方は、こちらに徹底的にまとめてあります。→ 不倫・浮気の慰謝料

「別居=婚姻破綻」ではない——ここを、まず誤解しない

いちばん多い誤解から、正しておきます。「別居しているんだから、もう破綻でしょう」——これは、違います。

別居していても、夫婦関係が「破綻していない」と扱われるケースは、いくらでもあります。逆に、同じ屋根の下にいながら(いわゆる家庭内別居)、実質的に破綻していると見られることもある。別居という“形”だけで、破綻かどうかは決まらないんです。ここを取り違えると、「別居してたから無理」とあきらめたり、逆に「別居してたんだから絶対取れる」と期待しすぎたりする。どちらも危うい。

では、破綻かどうかは、何で判断されるのか。断定はできません——これは事情を総合して裁判所や弁護士が見る領域ですから。ただ、目安として重く見られやすい要素は、いくつかあります。

ひとつめは、別居の「理由」。 なぜ離れたのか。関係修復のための、前向きな距離だったのか。それとも、もう顔も見たくない、という決裂の果てだったのか。同じ「別居」でも、出発点の温度がまるで違う。単身赴任や、親の介護、子の学校の都合といった“やむを得ない別居”は、そもそも破綻とは結びつきにくい。

ふたつめは、別居の「期間」。 数週間の頭の冷却なのか、何年も没交渉なのか。長く、行き来も連絡も途絶えているほど、「実態としての夫婦」からは遠ざかっていく、と見られやすい。ただし——ここが大事ですが、「◯年別居していれば破綻」という、機械的な線はありません。 期間は、あくまで数ある要素の一つ。「2年経ったから自動的に破綻」ではないんです。

みっつめは、「修復の意思」があったか。 別居中も連絡を取り合い、会って話し、やり直そうと動いていたのか。生活費(婚姻費用)のやり取りは続いていたか。子どもを介した交流はあったか。関係を続けようとする動きが残っているほど、「まだ夫婦だった」と見られやすい。逆に、離婚協議が進み、双方が別れを前提に動いていたなら、破綻に近づく。

これらを、どう組み合わせて、どこに線を引くか。それは、あなたのケースの事情を全部並べたうえでないと、誰にも断言できません。「うちは別居◯年だから大丈夫/ダメ」と、ネットの断片で自己判断しないでください。 別居の中身が、一件ずつ違うからこそ、この論点は弁護士の領域なんです。ここでは、「破綻は、別居という形ではなく、理由・期間・修復意思の“中身”で見られる」——この一点だけ、しっかり持ち帰ってください。

破綻の「前」か「後」か——ここで、可否が分かれる

さて、いよいよ核心です。冒頭で「どっちが先か」と書いた、あの話。不貞が始まったのが、婚姻関係が破綻する“前”だったのか、“後”だったのか。 ここで、慰謝料の可否は、大きく分かれます。

考え方の骨格は、こうです。

破綻の「前」に始まった不貞なら—— まだ守られるべき夫婦関係が生きていたところに、第三者が立ち入り、それを壊した(あるいは壊す一因になった)と見られる。つまり、あなたが傷つけられた、という土台が立つ。慰謝料の請求が、成り立ちやすい方向です。

破綻の「後」に始まった不貞なら—— すでに壊れていた関係に、あとから新しい相手が現れただけ、と見られる。「壊すべき平穏な家庭は、もう存在しなかった」。この理屈で、慰謝料が認められにくくなったり、大きく減額されたりする。相手側が「別居した時点で終わっていた」と言い張るのは、まさにこの“後”に持ち込みたいからです。

だから、争いの構図は、いつもこうなります。

  • 請求する側は言う。「別居はしていたが、まだやり直せる関係だった。破綻はしていない。不貞が、決定的に壊したんだ」。
  • 請求される側は言う。「別居した時点で、関係はもう終わっていた。不貞は、壊れた後の話。だから責任はない」。

同じ別居、同じ不貞。それでも、この一線をどちらに引くかで、結論が正反対になる。ここが、別居中の慰謝料の、いちばんスリリングで、いちばん危ういところです。

そして——ここから先が、探偵という仕事が関わってくる場所です。この「破綻の前か、後か」を左右するのは、結局のところ、「不貞が、いつ始まったのか」という“時点”なんです。相手は「ずっと後になってから」と言う。あなたは「別居のかなり早い段階から、いや、もしかしたら別居する前から」と疑っている。この時点をめぐる水掛け論を、事実で決着させる材料——それが、次の章で話す「時系列の証拠」です。

破綻の有無は、慰謝料が「取れるか否か」そのものに関わる、最重要の論点です。慰謝料が減額されたり難しくなったりするケースの整理は、こちらもあわせて読むと、全体像がつかめます。→ 不倫・浮気の慰謝料

だから、“どの時点の不貞か”を示す時系列の証拠が、決め手になる

ここまで読んで、気づいたと思います。別居中の慰謝料は、「不貞があったか」だけでなく、「それが、いつ始まったか」まで示せるかどうかで、勝負が決まる。同居中の不貞なら「あった」を押さえれば足りることが多いのに、別居中は、そこに“時間軸”が乗ってくる。ここが、決定的な違いです。

普通の浮気調査が目指すのは、「同一の相手と、ホテルや自宅へ二人で入り、時間を置いて出てくる——不貞を強く推認させる状況を、日時つきで押さえる」ことです。別居中も、この基本は変わりません。でも、それに加えて、こういう問いに答えられる形が要る。

  • その関係は、別居のどの時点で、すでに続いていたのか
  • 一度きりではなく、別居のこの時期から、この時期にかけて、反復して続いていたのか。
  • (相手が「別居後に知り合った」と言うなら)その主張と、実際の交際の始まりに、ずれはないのか

つまり、狙うのは「点」ではなく「線」。別居のこの日、この時期に、二人が親密な関係にあった——それを、日時とともに、時系列で積み上げた記録です。これがあると、相手の「別居してから、ずいぶん経って知り合った」という主張に、事実で穴を開けられる。逆に、この時間軸が曖昧なままだと、破綻の“後”に押し込まれて、せっかくの証拠が、力を持てなくなる。

現場の報告書が「時系列」でまとめられるのは、まさにこのためです。何月何日の何時に、どこで、誰と、どれくらいの時間を過ごしたか。それが日を変えて反復している。この「いつ」を軸にした積み上げこそが、別居中の不貞では、ものを言う。報告書を時間軸から読み解く視点は、こちらに整理しています。→ 調査報告書は「時系列」から読め

そして、もう一歩踏み込んだ論点があります。「不貞は、そもそも、いつから始まっていたのか」。相手が「別居後に始めた」と言い張っても、実際には別居の“前”から、あるいは別居のごく初期から続いていた、というケースは、現実にあります。その“始まり”をどこまでたどれるかは、状況次第で、簡単ではありません。ただ、行動のパターンや、関係の深まり方を追うなかで、見えてくるものもある。浮気がいつから続いていたのか、その期間を特定するという視点は、別居のケースでこそ効いてきます。→ 浮気はいつから?期間を特定したい

なお、調査の手法そのもの——どうやってその“時点”や“反復”を押さえるのか——は、商売道具なので、ここで手の内を細かく明かすことはしません。大切なのは、「別居中は、“あった”だけでなく“いつ”までが問われる。だから、時間軸を意識した記録がいる」——この一点を、頭に入れておくことです。

別居中の証拠集めは、同居中より“難しい”。その理由

正直に言います。別居中の不貞の証拠を、あなた自身で押さえるのは、同居中よりもずっと難しい。理由は、単純です。相手が、あなたの目の届かないところにいるから

同居していれば、帰宅時間も、休日の動きも、洗濯物も、自然と目に入ります。ところが別居中は、相手の生活のほぼ全部が、ブラックボックスになる。いつ、誰と、どこで会っているのか、あなたには見えない。しかも、別居しているぶん、相手はもう、あなたに隠す気すら薄れていることがある。堂々としているぶん、かえって尻尾がつかみにくい、という逆説もある。

さらに、別居中ならではの厄介さが、二つ重なります。

ひとつは、「距離」の問題。 別居先が遠方だと、様子を見に行くだけでも、時間もお金もかかる。ふらっと確かめに行く、ができない。

もうひとつは、「刺激すると壊れる」問題。 別居中は、相手との関係が、ただでさえ張り詰めている。ここで下手に探りを入れれば、相手は完全に警戒モードに入る。連絡を絶ち、行動を隠し、それまで見えかけていたものまで、指の間からこぼれ落ちる。別居という緊張状態のなかでは、この「壊れやすさ」が、同居中より格段に高い。

だからこそ、別居中の不貞は、「見えない相手の、いつの時点の関係かを、刺激せずに、時系列で押さえる」という、なかなか難度の高いミッションになる。ここに、第三者による調査が関わってくる余地があります。あなたが動けば警戒される行為を、対象に気づかれない形で、日時つきの記録にする。調査全体がどう進むのか、その流れは、こちらで包み隠さず解説しています。→ 浮気調査を依頼する流れ

費用がどう決まるかも、正直にお伝えしておきます。金額そのものは事務所ごとに大きく違うので、必ず各社の見積もりで確認してください。そのうえで、別居中は「別居先までの調査員の移動・宿泊費」が乗ることがある、という点は、頭に入れておくといい。遠方であるほど、ここが効く。だから、「相手が動きそうな日」を、こちらの情報からできるだけ絞り込んでおくことが、そのまま費用を抑えることにつながります。相場の考え方と内訳の見方は、こちらに。→ 浮気調査の費用は結局いくら?

自分で確かめようとして、証拠を壊す失敗

「別居してるんだから、堂々と相手を問い詰めればいい」「もう隠す関係でもないし、スマホを見せろと言えばいい」——気持ちは、痛いほど分かります。でも、別居中こそ、この“自力の確認”が、いちばん証拠を殺す。現場で、何度も見てきました。代表的な失敗を並べます。

① 別居先に、抜き打ちで押しかける。 「不意打ちすれば、現場を押さえられる」と思いがち。でも逆です。一度でも不自然な訪問をすれば、相手は「見張られている」と悟る。その日にたまたま何もなければ、往復の労力が消えるだけで、あなたが動いたことだけが、相手に伝わる。以後、相手は用心を重ね、時系列の記録をつくる機会そのものが、失われる。

② 別居中の相手の車や荷物に、無断でGPSを付ける。 別居していて相手が単独で使う車への無断設置は、状況によっては法に触れるリスクがある。そうやって得た情報は、いざというときあなたを守らないどころか、立場を弱くする。どこまでが合法かは、動く前に知っておいてください。→ 車にGPSをつけるのは違法?

③ 別居前に置いていった、相手のスマホや書類を、勝手にあさる。 別居のどさくさで手元に残った相手の物を、勝手に見て中身を撮る——プライバシーの侵害にあたりうるうえ、そうして見つけたものは証拠として使いにくい。見た形跡から警戒され、かえって関係を隠される。「自分で確かめる」ことの落とし穴は、こちらに詳しく。→ 自分で浮気を確かめる方法6つ、その全部が危うい理由

④ 電話やメッセージで、問い詰める。 別居中は、顔が見えないぶん、相手はいくらでも言い逃れができる。「もう別居してるんだから、関係ないだろう」で押し返され、警戒だけが残る。言葉で問い詰めるより、事実で外堀を埋める。 順番を、逆にしないでください。

この四つに共通するのは、「あなたが動いたことが相手に伝わると、時系列の証拠が、二度と手に入らなくなる」という一点です。別居中は、相手との糸が細い。その細い糸を、自分の手で切らないこと。気づいたことは気づかないふりで、静かに手元に置く。それが、あなたの望む結果を守ります。

請求する側・される側、それぞれの争点

ここで、立場を分けて整理しておきます。あなたが「請求したい側」なのか、「請求されそうな側」なのかで、見るべきポイントが変わるからです。

あなたが「請求したい側」なら

相手が、別居中に新しい相手を作った。あなたは、それに責任を問いたい。このとき、あなたが立てるべき筋は、こうです。

「別居はしていたが、破綻はしていなかった」——修復の意思があった、連絡を取り合っていた、婚姻費用のやり取りがあった、別れを前提には動いていなかった。こうした「まだ夫婦だった」事情を、できるだけ示す。そのうえで、不貞が、その関係がまだ生きているうちに始まっていたことを、時系列で押さえる。相手の「別居後に知り合った」という言い分に、事実でずれを突きつける。

争点は、結局、二つに集約されます。「破綻していなかった」と言えるか。そして「不貞が、破綻の前(または別居のごく早い段階)から続いていた」と示せるか。この二つがそろうほど、あなたの請求は力を持ちます。

あなたが「請求されそうな側」なら

別居して、もう心は離れていた。そんななか、あなた自身に新しい相手ができた。ところが、置いてきた配偶者が「不貞だ」と言い出した。「もう終わっていたのに、なぜ今さら」——その戸惑いも、当然です。

ただ、ここは冷静に。「自分から出て行った」「もう気持ちがなかった」という“あなたの主観”だけでは、破綻とは認められにくい。あなたが破綻だと思っていても、相手が「まだやり直せると思っていた」と主張し、修復の動きの跡が残っていれば、話は変わる。逆に、あなたの新しい関係が「別居のかなり前から始まっていた」と見られれば、あなたのほうが、別居や破綻の“原因をつくった側”という評価につながることもある。

どちらの立場でも、共通して言えるのは、思い込みで動かないこと。「取れるに決まっている」も、「取られるわけがない」も、どちらも危うい。事情を正確に整理して、専門家に見てもらう。それが、いちばんの近道です。

いずれの立場でも、最終的に「破綻していたか」「不貞の時点はいつか」の当否を判断するのは、弁護士であり、裁判所です。この記事で、あなたのケースの結論を断言することは、絶対にしません。必ず弁護士にご相談ください。

別居中の不貞は、離婚の条件にも響く

別居中の不貞は、慰謝料“だけ”の話では終わりません。多くの場合、その先には「離婚」がある。そして、別居中の不貞は、離婚の条件——財産分与、親権、養育費といった、あなたのこれからの生活を左右するもの——にも、静かに響いてきます。

たとえば、財産分与。夫婦が協力して築いた財産を分ける、その基準となる時点は、一般に「別居した時」あたりで区切って考えることが多い。別居後に相手が新しい相手のために使ったお金や、別居後に相手が一人で築いた財産の扱いは、そのぶん論点になりやすい。

親権も、別居がからむと繊細です。別居中、実際に子どもを育ててきたのはどちらか(監護の実態)が重く見られる。ここで、「相手が新しい相手のもとへ通い、子どもを顧みなかった」という事実があれば、それは親権の判断に関わってくる。効くのは「不貞そのもの」ではなく、「不貞にかまけて、子を大切にしなかった」という事実——この考え方は、別居中でも変わりません。

だから、別居中の不貞に向き合うときは、慰謝料の一点だけを見るのではなく、「別れるなら、どういう条件で別れるのが、自分と子どもの生活を守るのか」まで、視野に入れておくといい。証拠と、動く順番で、離婚の条件が変わる——その全体像は、こちらに徹底的にまとめてあります。→ 浮気の証拠で離婚を有利に

なお、金額の相場や、親権が最終的にどちらに認められるかは、婚姻期間・別居の経緯・子の年齢・双方の資力など、あまりに多くの事情で変わります。具体的な見通しは、必ず弁護士に相談してください。 ここでお渡しできるのは、「別居中の不貞は、慰謝料の外側にも波及する」という、地図の輪郭までです。

動く前に、そろえておくチェックリスト

相談や依頼を考えるなら、次の情報を先にメモしておくと、話が早く、判断の精度も上がります。とくに別居中は、「時間軸」を意識して集めるのがコツです。完璧でなくて構いません。分かる範囲で書き出してみてください。

別居まわり(“破綻していなかった”を示す材料)

  • [ ] 別居を始めた日付と、そのときの経緯(喧嘩の勢いか、話し合いの末か、やむを得ない事情か)
  • [ ] 別居中の連絡のやり取りの記録(やり直そうとした言葉、日常的な連絡が残っていれば)
  • [ ] 婚姻費用(生活費)のやり取りがあったか、いつまで続いたか
  • [ ] 別居中に会って話した機会、子どもを介した交流の有無
  • [ ] 「離婚を前提に動いていたわけではない」と言える事情

不貞の“時点”まわり(いつからか、を示す材料)

  • [ ] 相手に新しい影を感じ始めた時期(日付・きっかけを、できるだけ具体的に)
  • [ ] 疑わしい相手に心当たりがあれば、名前・職場・出会いの経緯
  • [ ] 別居先の住所・最寄り・行動範囲、相手の車のナンバー・車種・色
  • [ ] 相手が「別居後に知り合った」と言っているなら、その説明の日付(あとで事実とのずれを見るため)
  • [ ] 直近で撮った、相手の写真(調査を頼む場合、対象を見分けるため)

このリストは、そのまま「別居中の不貞を、時系列で確かめる準備」の設計図になります。上の段は「まだ夫婦だった」を、下の段は「不貞がいつからか」を示すための材料。この二段構えが、別居中の慰謝料では効いてきます。 何が証拠になり、何が崩れるのかは、動く前に頭に入れておいてください。→ 浮気の証拠、認められるもの・崩れるもの

よくある質問

Q. 別居して2年経っています。もう「破綻」で、慰謝料は取れませんか?

「◯年別居していれば破綻」という、機械的な線はありません。期間は、破綻を判断する数ある要素の一つにすぎず、別居の理由や、修復の意思があったかと合わせて総合的に見られます。2年でも破綻とされないケースもあれば、もっと短くても破綻に近いとされるケースもある。あきらめる前に、事情を整理して弁護士に確認してください。

Q. 自分から家を出ました。それでも、相手の浮気で慰謝料は取れますか?

「自分から出た=破綻」ではありません。出て行った理由(相手の言動に耐えかねて、など)や、別居後も修復を望んでいたかが見られます。ただ、出て行った経緯によっては、こちらの事情も問われることがある。だからこそ、別居に至った経緯を、感情ではなく事実として整理しておくことが大切です。当否は弁護士に。

Q. 別居中の自分に相手ができました。配偶者から慰謝料を請求されますか?

「もう終わっていた」という、あなたの主観だけでは、破綻とは認められにくい。相手が「まだやり直せると思っていた」と主張し、修復の跡が残っていれば、請求される可能性は残ります。さらに、あなたの新しい関係が別居のかなり前から始まっていたと見られれば、立場はより難しくなる。思い込みで動かず、早めに専門家に相談してください。

Q. 相手が「別居してから知り合った」と言い張ります。覆せますか?

そこが、別居中の不貞の、いちばんの勝負どころです。相手の主張と、実際の交際の始まりに“ずれ”があるなら、時系列の記録で穴を開けられる余地がある。逆に、時間軸が曖昧なままだと、相手の言い分に押し込まれます。だから、「あった」だけでなく「いつから続いていたか」を意識して押さえることが効いてきます。→ 浮気はいつから?期間を特定したい

Q. 別居先が遠方です。それでも調査できますか?

できます。ただ、遠方だと調査員の移動・宿泊費が費用に乗ることがあるので、「相手が動きそうな日」を、こちらの情報からできるだけ絞り込んでおくと、ムダを減らせます。見積もりの段階で、遠方であることを含めて相談してください。→ 浮気調査の費用は結局いくら?

Q. もう気持ちは離れています。それでも、証拠って必要ですか?

気持ちが離れていても、「取る」「取られない」を左右するのは、あなたの気持ちではなく、事実です。相手が破綻を否定してくれば、争点は「破綻していたか」「不貞はいつからか」に移り、そこで物を言うのは証拠。感情で片づく話ではないからこそ、事実を手元に置いておくことが、あなたを守ります。

線を引くのは、感情ではなく、事実です

ここまで読んで、頭のなかが、少し整理されたのではないでしょうか。別居中の浮気で慰謝料が取れるか——その答えは、金額表のどこにもなく、「あなたの別居が、破綻とみなされるのか」「不貞が、その線の前だったのか、後だったのか」という、たった一つの線引きにかかっています。

そして、その線を、感情や言い分ではなく、事実で引けるようにするのが、時系列の証拠です。別居はしていたが、まだ夫婦だった。その関係が生きているうちに、不貞は始まっていた——これを、日時とともに、線として示せるかどうか。別居中の不貞は、「あったか」だけでなく「いつからか」まで問われる。だからこそ、時間軸を意識した記録が、決め手になります。

冒頭で、荷造りをした日付と、相手に影がちらついた日付、どっちが先か指を折っていた、あなたへ。その「どっちが先か」を、あなたの記憶や推測ではなく、動かない事実として確かめることができれば、あなたはもう、相手の「別居した時点で終わっていた」という言い分に、丸腰で向き合わなくて済みます。

まずは、話を聞かせてください

「まだ、依頼するかどうかもわからない」——その段階で構いません。
決めてから相談するものではなく、決められないから相談していい場所です。

相談無料・秘密厳守/大阪府公安委員会 第62260032号

読んでも解決しないときは、聞いてください

急かしません。まず知ることが、いちばんの安心になります。それでも判断に迷うときは、無料で相談できます。

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