模倣品・海賊版の販売元は、削除申請より先に特定する|被害企業ができる事実確認と法的措置の準備
「うちの商品が、勝手に作られ、売られている」
ある日、社内の誰かが気づく。あるいは、お客様から問い合わせが入る。
「御社の製品を買ったのに、すぐ壊れた」——でも、その注文の記録は、自社のどこにもない。
モール(通販サイト)を見にいくと、自社そっくりのパッケージ、自社のロゴ、自社の商品名を使った出品が、正規より安い値段で並んでいる。
写真は本物を流用している。説明文もコピーしている。けれど、品質はまるで別物で、レビューには「偽物だった」「粗悪品」と書かれている。
「これは、うちが積み上げてきたブランドを、そのまま踏みつけにされている」
「売上を奪われるだけじゃない。粗悪品でお客様の信頼まで失う」
こうした模倣品・海賊版の被害は、メーカーだけの話ではありません。アパレル、雑貨、デジタルコンテンツ、ソフトウェア、キャラクター商品、書籍、教材——「価値のあるものを作っている会社」なら、どこでも起こり得ます。
そして、いざ止めようとすると、多くの企業がこの壁にぶつかります。「出品は見えるのに、その裏で誰が作り、誰が売っているのかが、まったくわからない」。出品者名は屋号やニックネームだけ。連絡先はモール経由のメッセージだけ。住所も、法人名も、実在するのかどうかもわからない——。
この記事では、模倣品・海賊版の販売元をどう「特定」し、それをどう「正しく」止めて、被害を回復する手続きへつなげるのかを、被害企業の目線で、順番に、正直にお伝えします。
- まず何をすべきか(結論)
- なぜ、相手の「身元・所在・実態」を先に押さえる必要があるのか
- 自社で調べることの、できる範囲と限界
- 専門調査でできること
- 特定できたあと、どう法的措置へ進めるのか(弁護士との連携)
- やってはいけないこと——「おとり」「不正アクセス」が会社を危うくする
- 相談前に、整理しておくとよい資料
読み終えたとき、「どこから手をつければいいのかわからない」という状態が、「この順番でやれば、止められる可能性がある」に変わっていれば、この記事の役目は果たせたことになります。
この記事を読むとよい人/読まなくてよい人
先に、この記事が誰のためのものかを、はっきりさせておきます。
読むとよい人
- 自社の商品・ブランド・コンテンツの模倣品や海賊版が、ネットで売られているのを見つけた企業の方
- 出品者・販売元の身元や所在がわからず、そもそも請求や通報を始められずに困っている方
- 泣き寝入りしたくないが、変なことをして自社が問題を起こすのは避けたい、と慎重に考えている方
- 差止・損害賠償・刑事告訴などの法的措置を、正しい手順で準備したい方
読まなくてよい人(別の窓口が適切な人)
- 出品者の法人名・住所がすでにはっきりしていて、あとは手続きだけという方 → まず弁護士に相談するのが近道です。所在調査は不要かもしれません。
- モールに通報すれば足りる程度の、単発・小規模な出品への対処だけを考えている方 → まず各モールの権利侵害の申告窓口を使うのが早い場合があります。
- 「見つけたら、直接乗り込んで痛い目に遭わせたい」という実力行使が目的の方 → その目的では、私たちはお手伝いできません。あとで理由を正直に書きます。
つまりこの記事は、「正規の権利者として、模倣品・海賊版を正しく止めたい。でも、その前提となる相手の身元・所在がわからない」という方に、いちばん役立つ内容です。
先に結論:まず「合法に身元・所在を特定」→「弁護士と正規の手続き」で止める
先に、この記事の結論をお伝えします。
模倣品・海賊版の被害を止めるときの、正しい進め方は——
①まず、誰が作り、誰が売っているのか(身元・所在・実態)を、合法的に特定する。②そのうえで、弁護士とともに、差止請求・損害賠償請求・刑事告訴など、正規の手続きで止めて、被害を回復する。 この二段構えです。
大切なポイントは3つです。
- 手続きの前に、まず「相手が誰か」を押さえる。 相手の実在する氏名・法人名・住所がわからなければ、そもそも警告書も届けられず、裁判も起こせません。だから、特定が最初の一歩になります。
- 止めるための手続きは、法律の領域で進める。 差止や賠償請求、告訴は、弁護士や裁判所、警察の領域です。調査が担うのは「相手が誰で、今どこにいて、どういう実態か」を突き止めるところまでです。
- 「おとり購入」や不正アクセスといった手段は使わない。 相手を追い詰めたい一心で手段を誤ると、正規の権利者だったはずの会社が、逆に責められる側に回ってしまいます。
ここから、ひとつずつ見ていきます。
1. なぜ「相手の身元・所在・実態」を先に押さえる必要があるのか
「模倣品を止める」と聞くと、いきなり警告や通報を思い浮かべるかもしれません。でも、実際の順番は、その手前にあります。
法的措置は、たいてい「相手が誰で、どこにいるか」がわからないと、始められないのです。
これは、多くの担当者が見落とす、いちばん大事なポイントです。
正規の手続きには「相手を届け先として特定する」ことが要る
模倣品・海賊版を止める方法には、たとえば次のようなものがあります。いずれも、法律で用意された、まっとうな手段です。
- 警告書(内容証明郵便)で、販売の停止・在庫の廃棄・損害の賠償などを正式に求める
- 差止請求で、模倣品の製造・販売そのものをやめさせる
- 損害賠償請求で、奪われた利益の回復を求める
- 悪質な場合の刑事告訴(商標権・著作権侵害などは、刑事事件になり得ます)
これらに共通しているのは、「相手を、実在する人・法人として特定する必要がある」ということです。警告書は相手の住所へ送りますし、裁判所からの通知も、相手の氏名・住所や本店所在地に届かなければ、手続きが前に進みません。
ところが、ネット上の出品者は、屋号やニックネーム、私書箱のような住所、実在するのか怪しい連絡先しか出していないことが珍しくありません。「出品ページは見える」ことと、「相手を特定できている」ことは、まったく別なのです。この土台がないと、正規の手続きは空回りします。
「どこまで広がっているか」を見極める意味もある
もう一つ、企業だからこそ考えておきたいことがあります。それは、「その出品者は、氷山の一角なのか」という点です。
表に出ている出品者は、単なる販売の窓口で、その裏に、製造元や、大量に卸している大元がいることもあります。一つの出品を消しても、同じ大元から、別の名前でまた湧いてくる——模倣品対策で、企業が何度も経験する消耗戦です。
だからこそ、「表の出品者」だけでなく、「その背後で、誰が・どういう規模で動いているか」を見極めることに、意味があります。ここを押さえられれば、モグラ叩きではなく、大元を止める一手につなげられる可能性が出てきます。ここは、限られた予算と時間で動く企業にとって、とても大事な視点です。
時間が経つほど不利になることもある
模倣品・海賊版の被害では、時間の経過が不利に働くことがあります。売られ続けるほど、ブランドの毀損も、失われる利益も積み上がります。また、権利の種類によっては、権利行使に関わる期間の考え方があり、証拠も、時間が経つほど集めにくくなります(出品が消される、履歴が流れる等)。
細かい法的判断は専門家(弁護士)の領域なので、ここで断定はしません。ただ、「見つけたら、なるべく早く、証拠を固めながら動き出すほうが、一般的には有利」ということだけは、知っておいてください。
2. 自社で調べることの、できる範囲と限界
「専門家に頼む前に、まず自社で調べたい」——そう思うのは、企業として当然のことです。実際、自社でできること、やっておくべきことがあります。
- 出品ページを、証拠として保存する:出品者名、商品名、価格、写真、説明文、レビュー、URL、表示されている日時を、画面ごと記録に残す(後述のとおり、これが最重要)
- モールの「権利侵害の申告窓口」に通報する:多くの通販モール・フリマアプリには、権利者からの侵害申告を受け付ける仕組みがあります
- 公開情報で、出品者名・屋号・法人名・連絡先を確認する:特定商取引法にもとづく表示、会社名での登記情報など、公開されている情報をたどる
- 自社の正規流通と照らす:その商品が、どこから流れた可能性があるか、社内の出荷・在庫記録と突き合わせる
ここまでは、無理のない、まっとうな範囲です。とくに、証拠の保存とモールへの通報は、企業として最初にやるべきことです。
ただし、相手が「意図的に身元を隠している」場合、自社で調べることには、はっきりとした限界があります。
手がかりが、途中で途切れる
模倣品を売る相手は、たいてい匿名のアカウント、実在するか怪しい住所、他人名義や海外経由の連絡先を使って、意図的に足取りを消します。モールに通報して一つ消しても、別の名前ですぐ再出品される。表示された連絡先に問い合わせても、返ってこない、あるいは無関係な情報だった——。
多くの担当者が、「出品も見た、通報もした、公開情報も調べた、でもそこから先、誰なのかがわからない」という壁にぶつかります。相手が本気で隠れているほど、社内だけの調査は、途中で行き止まりになります。
深追いすると、自社が問題を起こしかねない
ここが、いちばん気をつけてほしいところです。
「なんとしても正体を暴きたい」という気持ちが強くなると、つい、やりすぎてしまいます。そして、相手を追い詰めようとした手段が、あなたの会社自身を問題に巻き込む——これが、いちばん怖い落とし穴です。詳しくは後半で改めてお伝えしますが、
- 身元を釣り出すための、行き過ぎた「おとり」的なやり取り
- 相手のアカウントやシステムへの、不正なアクセス
- 出品者や関係者の車・持ち物への、無断のGPS取り付け
- 「詐欺業者だ」とネットで晒す、といった行為
こうした手段は、正規の権利者であっても、別の問題に発展しかねません。「相手が悪いのだから何をしてもいい」は、法律の世界では通用しません。
だからこそ、「合法的に、確実に身元・所在を突き止める」という一点において、専門家に任せる意味があるのです。
3. 専門調査で、できること
では、社内で手が届かない部分を、どう埋めるのか。ここで、第三者による専門調査が選択肢になります。できることの「輪郭」を、実務の視点でお伝えします。
専門調査は、「出品ページを入れたら、犯人が全部出てくる」ものではありません。合法的に集められる情報を、地道に積み上げていく仕事です。手品ではなく、地道な積み重ねです。手の内の細かいところまではお見せできませんが、考え方はお伝えできます。
大まかに言えば、
- 手がかりの整理:依頼者が持っている情報(出品ページの記録、出品者名・屋号、商品名、価格、取引の痕跡、表示された連絡先や住所、正規流通の記録など)を、ていねいに整理します。ここが出発点であり、最も大切な土台です。
- 合法的に確認できる情報の突き合わせ:法律の範囲で確認できる公開情報などを、一つずつ照らし合わせ、匿名の出品者と、実在する人・法人とのつながりを埋めていきます。
- 現地確認・実態の裏付け:情報が絞れてきたら、関係しそうな所在や、事業の実態を、必要に応じて確かめます。表の出品者の背後に、製造元や卸元が見えてくることもあります。
ここで大事なのは、依頼者が持っている情報の量と質で、調査の難しさが大きく変わるということです。とくに模倣品対策では、「出品が消される前に、どれだけ証拠を残せていたか」が、その後を大きく左右します。
なお、成果を保証することはできません。どれだけ手を尽くしても、相手が海外にいて手が届きにくいことも、身元がつかめないこともあります。「必ず特定して、必ず止められます」と言い切る相手は、むしろ注意が必要です。
調査がやるのは「特定」まで、という線引き
ここは、はっきりさせておきます。
調査ができるのは、「相手が誰で」「どこにいて」「どういう実態か」を、合法的に明らかにするところまでです。そこから先、実際に販売をやめさせ、賠償を求め、告訴する手続きは、調査の仕事ではありません。それは、弁護士や裁判所、警察の領域です(これは法律で決まっています)。
つまり、専門調査は、権利行使そのものではなく、権利行使を「始められる状態」にするための調査、という位置づけになります。身元・所在・実態という土台がそろって、はじめて、次の正規の手続きに進めるのです。
4. 特定できたあと——正しく止める進め方
無事に相手の身元・所在・実態がわかったら、いよいよ「止める」段階です。ここからは、法律で用意された、正規のルートを通します。細かい判断は専門家(弁護士)の領域ですが、全体像として、一般的にはこんな流れになります。
ステップ①:まず、モールへの申告と、警告書
いきなり訴訟、というわけではありません。多くの場合、まず各モールの権利侵害の申告窓口への通報と、警告書(内容証明郵便)による正式な請求から始めます。
警告書では、「販売の停止」「在庫の廃棄」「損害の賠償」などを、正式に求めます。内容証明は「誰が・誰に・いつ・どんな内容を送ったか」を郵便局が証明してくれるもので、「正式に警告した」という記録が残るのが強みです。相手が応じて販売をやめれば、裁判までいかずに収まることもあります。特定によって届く住所がわかっているからこそ、この一手が生きてきます。
ステップ②:差止・損害賠償という選択肢
相手が応じない、あるいは被害が大きい場合、裁判所を通じた手続きに進みます。
- 差止請求:模倣品の製造・販売そのものをやめさせる手続きです。
- 損害賠償請求:奪われた利益の回復を求める手続きです。
どの手続きが向くか、権利(商標権・著作権・意匠権など)のどれで戦うか、証拠は足りるか——ここは、弁護士(とくに知的財産にくわしい弁護士)に相談して選ぶのが確実です。いずれの手続きも、相手を特定できていることが前提になります。だから、調査が生きてくるわけです。
ステップ③:悪質なら、刑事告訴という道も
商標権侵害や著作権侵害は、刑事事件にもなり得ます。組織的・大規模で悪質な模倣品・海賊版の場合、警察への相談や刑事告訴という選択肢が出てきます。ここでも、静かに積み上げた客観的な証拠と、相手の特定が効いてきます。どの道を選ぶかは、弁護士と相談しながら決めるのが確実です。
ステップ④:弁護士と連携する
「手続きの名前はわかったけれど、本業をやりながら自社でやり切れる気がしない」——それが正直なところだと思います。
だからこそ、模倣品対策を本気で進めるなら、弁護士に相談するのが近道です。どの権利で、どの手続きで戦うか、証拠は足りるか、といった判断は、専門家でなければ難しい部分です。信頼できる調査の依頼先は、必要に応じて弁護士と連携できる体制を持っています。「相手は特定できたけれど、そのあとどうすればいいかわからない」という状態で、あなたを放り出さない。特定というバトンを、法律の専門家へきちんと渡す。ここまでを見据えて動くのが、誠実な進め方です。
5. やってはいけないこと——ここが会社を守る命綱です
ここが、この記事で最もお伝えしたい部分です。正規の権利を持っているあなたの会社を守るために、あえて、強くお伝えします。
権利が正当でも、「調べ方・止め方」には、守るべき線があります。 これを踏み外すと、あなた(や、動いた社員)が、逆に責められる側に回ります。
- 身元を釣り出すための、行き過ぎた「おとり」的なやり取りをする
→ 相手を欺いて情報を引き出す、罠にかけるようなやり方は、あとで手続きの正当性を損ないかねません。証拠として通常の購入記録を残すことと、相手を陥れるための「おとり」を仕掛けることは、別物だと考えてください。どこまでが許される確認で、どこからが行き過ぎかは、必ず弁護士に相談してから動くのが安全です。 - 相手のアカウントやシステムに、不正にアクセスする
→ 他人のIDへの不正なログインなどは、法に触れる可能性があります。得た情報も、結局は証拠として使えません。 - 出品者や関係者の車・持ち物に、無断でGPSを取り付ける
→ 承諾のない位置情報の取得や機器の取り付けは、規制の対象になり得ます。無断での設置は、違法と評価されるリスクがあります。 - SNSや掲示板で、実名・社名を出して「詐欺業者」「偽物を売る犯罪者」と晒す
→ 名誉毀損・信用毀損にあたるおそれがあります。相手が本当に模倣品を売っていたとしても、公然と社会的評価や信用を下げれば、罪に問われることがあります。 - 相手の所在に押しかけ、直接やめさせようとする
→ 威迫・強要・脅迫などの別の問題に発展しかねません。
大事なのは、正当な権利の「実現」は、必ず法律の手続きを通して行う、ということです。自分の手で直接止める「実力行使」や、相手を陥れる手段は、たとえ相手が悪くても、認められていません。
現場で、正直に感じることがあります。ブランドを踏みにじられた悔しさが強い企業ほど、「合法とか言っていられない、とにかく正体を暴いて叩き潰したい」という気持ちになりがちです。その気持ちは、痛いほどわかります。けれど、そこで一歩踏み外すと、止めるどころか、あなたの会社が責められ、ブランドの信用まで損なう——そういう逆転を、私たちは見てきました。
だから、特定は合法に。権利行使は正規の手続きで。相手を陥れる手段は使わない。 この順番を守ることが、結局はいちばんの近道であり、あなたの会社を守る命綱になります。
6. 相談前に、整理しておくとよい資料
模倣品・海賊版の調査は、依頼者が持っている手がかりの質で、進みやすさが大きく変わります。とくにこの分野では、「証拠が消される前に、どれだけ残せていたか」が決定的です。相談の前に、次のようなものを、探せる範囲でまとめておくと、話がとてもスムーズです。
- 模倣品の出品ページの記録(出品者名、商品名、価格、写真、説明文、レビュー、URL、表示日時が入った画面の保存。※出品はいつ消されるかわからないため、見つけたらすぐ保存)
- 実際に届いた模倣品そのもの、または写真(正規品との違いがわかるもの。届いた梱包・伝票の情報も含めて)
- 出品者が表示している連絡先・住所・屋号・法人名(特定商取引法の表示など、その画面ごと)
- 自社の権利を示すもの(商標登録の情報、著作物であることがわかる資料、正規品の仕様・型番など)
- 正規流通の記録(自社の出荷・在庫記録。どこから漏れた可能性があるかの手がかりになります)
- これまでの通報・警告の履歴(モールへ申告した記録、相手とのやり取りなど)
- 同じ相手・同じ商品と思われる、別アカウントの出品(あれば。規模を見極める手がかりになります)
- 被害の概要(いつ気づいたか、どれくらいの期間・数量が売られているか、実害・問い合わせの状況)
これらは、「相手を特定するための手がかり」であると同時に、あとで法的措置に進むときの「証拠」にもなります。とくに出品ページの記録と、届いた模倣品そのものは、弁護士に相談する段階でも重要になるので、大切に保管してください。
すべてがそろっていなくても、まったく問題ありません。「今わかっているのは、これだけ」という状態でも、相談の中で一緒に整理していけます。大切なのは、あるものを、正直に、もれなく共有していただくこと、そして証拠は、見つけたらすぐ残すことです。
まとめ:正しい順番で動けば、ブランドは守れる
自社の商品やブランドが、勝手に作られ、安く売られ、粗悪品でお客様の信頼まで奪われる——このつらさは、まっとうにものづくりをしてきた会社ほど、深く刺さります。売上を奪われる痛みと、「築いてきたものを踏みにじられた」という理不尽さは、簡単には割り切れません。
でも、思い出してください。正規の権利者が、模倣品・海賊版を止め、被害を回復する道は、ちゃんと用意されています。 ただし、その道には、正しい順番があります。
- まず、証拠を残しながら、相手が誰で・どこにいて・どういう実態かを、合法的に特定する(ここで専門調査が生きる)
- 特定できたら、モールへの申告・警告書・差止・損害賠償など、正規の手続きで止める
- 悪質なら、刑事告訴という道もある
- これらの権利行使は、弁護士と連携して進める(調査は身元・所在・実態の特定まで)
- そして——「おとり」や不正アクセス、晒しといった手段は、絶対に使わない(正規の権利者だったはずの会社が、責められる側になってしまう)
悔しさや怒りは、当然のものです。まっとうに作ってきた側が損をするのは、理不尽です。けれど、その感情のまま突っ走ると、かえって遠回りになり、最悪の場合、立場が逆転し、ブランドの信用まで損ないます。だからこそ、冷静に、正しい順番で動くことが、結局はいちばん確実で、いちばん強いのです。
「どこから手をつければいいのかわからない」と思って、ここまで読んでくださったのかもしれません。でも、打つ手はあります。まずは、目の前の出品ページを証拠として保存し、届いた模倣品と、自社の権利を示す資料を整理するところから、始めてみてください。この記事が、その最初の一歩の助けになればと思います。
まずは、話を聞かせてください
「まだ、依頼するかどうかもわからない」——その段階で構いません。
決めてから相談するものではなく、決められないから相談していい場所です。